誰がつくったの?―ヒガシ東京のパブリックアート探訪vol.1

yui

13.07.11

こんにちは。
森下在住、ライターのユイです。

ヒガシ東京には、いくつものパブリックアート作品が点在しています。
日常の風景にとけ込んでいるため
ふだんは何の気なしに通り過ぎてしまいますが、
よく見てみると、ユニークな(言ってしまえばヘンテコな!)形のものばかり。
「誰が作ったんだろう?」「どんな意図があるんだろう?」
そんな興味がムクムクと湧いてきたことから、
『ヒガシ東京のパブリックアート探訪』と題した本企画が生まれました。
1つ1つの作品がもつストーリーや、制作の経緯を知ると、
通勤や散歩の際に作品の横を通るのが楽しくなるかもしれませんよー!


さて、第1回目に紹介する作品は、都営大江戸線・清澄白河駅の壁画
『二十世紀文明の化石』です。

清澄白河駅『二十世紀文明の化石』

江戸時代に花街として栄えた深川。
近年、木場公園内に東京都現代美術館が建設されてからは、
現代アートの拠点としても注目が集まっているエリアです。

現代美術館の最寄駅である都営大江戸線・清澄白河駅の階段を下り、
ホームに降り立つと、銀色に光る壁が目に入ります。
164枚のパネルによる壁画作品の制作者は、
パブリックアーティストの樋口正一郎さん。
上下線併せて274メートルの壁画は、
太陽系の形成、日本列島の誕生、江東地区、東京の街や工業、
金融、未来への展望といったストーリーを表現しています。
「古い家が壊され、マンションや駐車場に変わってしまうと、生活の記憶が失われ、街の歴史がなくなるのと同じことになる。そこで、地下鉄駅の壁面に地域の歴史を取り込めないかと思った。」(樋口さん)

『二十世紀文明の化石』下り線の一部分

工業製品のスクラップがアート作品に!

壁画の材料は、かつて江東区の工場で生産されていた工業製品のスクラップ。
集められたスクラップは、栃木の製造所に集約されて、
金属パネルへの溶接が行われました。
電車が通る場所に設置するため、厚みを3センチ以内にしなければならず、
スクラップを固定したあとにローラー車を作品の上に走らせて、
突起している部分を潰したそうです。
溶接が終わると、パネルをメッキ工場に運び、
溶融亜鉛のドブづけメッキを施しました。
ドブづけメッキとは、固定された対象物に塗料を塗るのではなく、
あらかじめ汲み置いた塗料の中に対象物を浸す方法。
そのあと、メッキされたパネルにクリア塗装を施したことにより、
10年以上経った今でも水で磨けばピカピカになるそうです。
こうして出来上がったパネルはクレーンで地下まで降ろされ、
約1ヶ月ほどかけて、人の手で設置作業が行われました。

廃棄された自転車をそのまま使用!

多大な労力と期間をかけて出来上がった巨大な作品は、
今も清澄白河駅で、行き交う人々を見守り続けています。
都営大江戸線に乗る機会があれば、清澄白河駅で下車をして、
壁画を眺めつつホームの端から端まで歩いてみてくださいね!