ヒガシ東京神社めぐり vol.2 —被官稲荷神社

yuka

13.07.16

こんにちは! 寺社仏閣にいると心が落ち着くライターのニイミユカです。そんな私が浅草神社に続き、ご紹介したい場所。それは被官稲荷神社(ひかんいなりじんじゃ)です。

場所は浅草神社の奥。社殿と神輿庫(みこしこ)の間を抜けた先にあります。小さな佇まいは思わず見逃してしまいそうですが、熱心に拝みに来る人もいる五穀豊穣・商売繁盛・芸能にご利益のある神様です。

被官稲荷神社の昔話

江戸時代の終わり、1854年(安政元年)のこと。町火消・鳶頭・香具師・侠客・浅草浅草寺門番の新門辰五郎(しんもんたつごろう)の妻が重病で床に伏したとき、山城(現、京都府南部)の伏見稲荷神社に祈願しました。その効果あってか病気は全快。翌1855年、浅草の人々がお礼の意味も込め伏見稲荷神社から祭神御分身を現在の地に勧請しました。その後、社を創建し“被官稲荷神社”と命名。現在は浅草神社の末社としてその境内に祀られています。

名称の由来は不明ですが、被官とは「官を被(こうむ)る」ということから“就職・出世”という意味を含んでいるといわれています。

ちいさな社殿

お社は1855年に創建された当時のもので、“一間社流造(ひとましゃながれづくり)”。京都の上賀茂神社や下鴨神社に代表される、全国で最も多い神社本殿形式です。

社殿は杉皮葺(すぎかわふき)で、間口1.5メートル、奥行は約1.4メートル。関東大震災や東京大空襲にも奇跡的に焼け残った建築物で、覆屋(ふくどう)という貴重な建造物を守るための建築物で保護しています。(ちなみにこの覆屋は、大正期に建てられたのだとか!)

正面の鳥居は新門辰五郎本人により奉納されたもの。見ると、『安政二年九月立之 新門辰五郎』と刻まれています。

愛らしい神様のお使い

“お稲荷さん”ですから、狛犬ではなく狐があちこちで出迎えてくれます。

浅草神社の社務所で引ける“狐みくじ[1回200円]”は被官稲荷神社のもの。

中身がなんと狐型です(!)。

ここから開くとまたかわいらしいのですがそれは訪れてのお楽しみに。

お供え物のひとつ“お姿[1体 1500円]”。

右側にある背の低いほうが京都で焼かれた「京焼」。左側の背の高いほうが東京で焼かれる「今戸焼」です。どちらも素焼きの一種で自然素材を使い全て手作りしているため、表情が全部違います。こちらも浅草神社の社務所で買うことができます。

毎月1日と15日には被官稲荷神社内の社務所が開き、絵馬など授与品を頒布。3月18日には例祭日(稲荷祭)が行われます。

小さな神社ですが建築物としても、とっても魅力的。鳥居をくぐると時間が経つのを忘れてしまいますよ。

【詳細情報】
被官稲荷神社
住所:東京都台東区浅草2-3-1
電話:03-3844-1575(浅草神社社務所)
参拝時間:自由
http://www.asakusajinja.jp/asakusajinja/hikanjinja.html