同じものは2つとない手仕事の革小物— 文庫屋「大関」@浅草

yuka

13.07.30

1年中、観光客で賑わう浅草寺へ続く仲見世通り。その両脇に通る1本道は静かでゆったりとした雰囲気で、マイペースに散策したい人におすすめです。

雷門を正面に見て、右側の1本道をテクテク。そろそろ浅草寺へ到着か……といった頃、右手に見えるのが文庫革(ぶんこがわ)の小物を扱う文庫屋「大関」(ぶんこや おおぜき)です。

(写真:木造の引き戸をガラガラと開けて入店)

播州(ばんしゅう)姫路生まれの伝統工芸品

(写真:『がま口小物入れ』各6,500円)

“文庫革(ぶんこがわ)”は兵庫県・播州姫路が発祥。“姫路革(ひめじがわ)”とも呼ばれる真っ白な革を使用した、独特な加工を施す工芸品です。東京では今年で創業86年。墨田区向島に構える文庫屋「大関」の工房を中心に、ひとつひとつ手染めされています。

その特徴は、新しい品物でありながら、使い込んだような味のある雰囲気の風合いと、その柄の豊富さにあります。

(写真:右から白革、型押しをしたもの、彩色をした状態、“錆入れ”後)

作業はおおまかに分けて4工程。まずは白革に型を押し、ひと筆ずつ彩色。漆(うるし)で古びをつける行程を経て、 袋物(ふくろもの)や小物などに仕立てます。 漆で古びをつける行程は“錆入れ(さびいれ)”と呼ばれ、ある植物の繊維の粉を使います。この錆入れの行程が、文庫革の製法の秘伝。その味わいを作るのに、欠かせません。

彩色は全て手作業。色数は無数にあり、季節や好みに合わせて組み合わせのバリエーションを変えることができるのだとか。 さらに型押しの型は百種類以上もあるので、数えきれないほどのパターンを作り出すことができます。

現在、昔ながらの製法を守り、文庫革の名で製作しているのは日本で唯一、文庫屋「大関」だけだそう。

観光の街、浅草に異空間を!

(写真:商品ひとつひとつを見やすく整えられた店内)

初の実店舗はを2012年3月にオープン。直接、さまざまな色柄の商品を見られるとあって、文庫革ファンや日本らしいお土産を求める外国人観光客を中心に評判を呼んでいます。

(写真:上野・東京松屋の“江戸からかみ”を使用したディスプレイ。季節ごとに装いを替える)

「浅草に出店することが決まった時に、一見入りにくい、異空間を作ろうと思ったんです。浅草は扉を開けて営業しているオープンな店が多いでしょう。でもうちは、引き戸を開けていただかないと入れない。店内も整然としている。場所柄、観光客や外国人のお客様も多いから、なんとなく入る……というよりも、ここは! と興味を持ってくださった方に、じっくりと商品を見ていただきたいんです」と、田中威(たなかたけし)社長。

(写真:人気の“金唐大花”柄)

店には常時、40〜50種類の色柄をご用意。ただし手作業のため、欲しい色柄が必ずしも並んでいるわけではありません。納得のいく物ができて、ようやく店に出せる。職人の厳しいまでのこだわりが、その美しさの裏にはあるんです。

さらに購入したら終わり、ではありません。使い込むうち色あせたり、万が一壊れたりしたものは、修理も受けつけています。

精魂込めて作ったものを長く大切に使って欲しい。職人の想いがこもった革小物、ぜひ一度、見にきてください。

【詳細情報】
文庫革「大関」浅草店
住所:東京都台東区浅草2-2-6-1F
電話:03-6802-8380
営業時間:10:00〜18:00
定休日:火曜日・水曜日
http://www.bunkoya.com/

*遠方で店へ行くのが難しい場合は、ショッピングサイト(http://bunkoya.ocnk.net/)をチェック! お店の様子は公式ブログ(http://bunkoya.cocolog-nifty.com/)で覗くことができますよ。