ヒガシ東京神社めぐり vol.5―吉原神社

yuka

13.09.24

浅草駅と三ノ輪駅の間にある街、吉原。そもそも“吉原”とは、江戸幕府開府後に幕府公認で市中各地に散在していた遊女屋を統合したのがはじまり。これが、元吉原(今の日本橋萱町あたり)です。その後、1655年(明暦3年)の大火で千束村(今の台東区千束)に移転を命ぜられ、作られたのが新吉原なのだとか。

さて、そんな同地で人々を見守り続けるのが吉原神社です。

(写真:5年ほど前に改修された社殿)

(写真:5年ほど前に改修された社殿)

吉原神社の昔話

新吉原には古くから玄徳稲荷社(よしとくいなりしゃ)、廓内四隅の守護神である榎本稲荷社、明石稲荷社、開運稲荷社、そして九郎稲荷社が祀られていました。この五社が1872年(明治5年)に合祀され、吉原神社が創建されました。

ちなみに、五社の中でも九郎稲荷社の創建は古く、711年(和同4年)にさかのぼります。白狐黒狐が天下(あまくだ)るのを見た千葉九郎助という人の手で元吉原に勧請されたのがはじまりなのだとか。その後、廓(くるわ)の移転とともに、新吉原の地にふたたび勧請されました。

(写真:社殿上部に並んだ5社の提灯)

(写真:社殿上部に並んだ5社の提灯)

ご祭神は、稲荷神である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と弁天様の市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)。開運・商売繁盛・技芸上達にご利益があるとして、親しまれています。

100年ぶりに復活したご神木

(写真:春には見事な花をつけるご神木

(写真:春には見事な花をつけるご神木)

ご神木は逢初桜(あいぞめざくら)。

「逢初め」とは、恋焦がれている人に初めて会うという意味があり、200年ほど前までは玄徳稲荷社のご神木として崇信されていました。しかし1911年(明治44年)の大火で消失し、すっかり忘れられてしまったそう。それが、氏子の支えもあり、2013年1月にご神木として復活。鳥居をくぐる手前で参拝者を迎えてくれます。

その姿は同社で買い求められる手拭いにも描かれています。

(写真:「参拝記念」として社務所で購入できます)

(写真:「参拝記念」として社務所で購入できます)

1枚1,000円。宮司たちが中心となりアイデアを出し合った図柄は、江戸時代の文化年間の風景からヒントを得ているそう。

左上には遊廓で実際に使われていた“吉原繋ぎ”という柄が使われています。諸説ありますが、吉原の引き手茶屋(ひきてじゃや)の暖簾に用いたのでこの名がついたのだとか。別名「廓繋ぎ(くるわつなぎ)」「角繋ぎ(かくつなぎ)」とも呼ばれ、現代では浴衣や手ぬぐいの柄として使われる粋な和柄です。

各駅から歩いて15分ほど。決して賑やかではないけれど、朱に彩られた社殿が美しく、ずうっと眺めていたい。そんな魅力的な神社です。

詳細情報

吉原神社
住所:東京都台東区千束3-20-2
電話:03-3872-5966(千束稲荷神社内)
参拝時間:日中